よいコンサルタントとの付き合いは、まず自分で考える。そして調べること。
グランデージ大倉山 森 正章様
物件名:グランデージ大倉山
所在地:横浜市港北区5-7-1
概 要:約13年前の第一回目大規模修繕工事時及び3年前の第二回大規模修繕工事にて修繕委員(中心的存在)
同物件は大規模修繕工事二回ともにコンサルタントとして関わったのち、現在建築顧問契約を締結、現在に至る
■工事現場の人たちにとても信頼されている、よいネットワークを築いている。そこが信頼できると思いました
―こちらのマンションはいつ頃作られたマンションでしょうか。
今年でちょうど30年目ですね。2020年の9月に竣工30年を迎えましたので、9月を経過した時点で正式にヴィンテージマンションという認定を受けるという運びになっています。
世帯数は188世帯です。プラス管理組合が保有している旧管理人室が1室ありますので、全部で189世帯になります。
―家族向けの作りのマンションですか?
平均的な広さが100平米あり、1990年に竣工し販売された当時は、ペントハウスタイプで2億数千万、平均でも1億強の価格で売り出されていました。世間的に収入が多いと思われるお仕事の方が購入されていた印象ですね。現在の価格としては、この界隈の同じ平米数の新築マンションとそうかわらなくなっており、お子さんがいるご家庭が多いと感じますね。居住空間というのは、お子さんがいるととても活気がでると思います。お子さんの成長に合わせて長く暮らせるように付属設備もきちんとした維持が必要になります。そうしたことの必要性もあり、修繕委員長を10年以上お引き受けしております。
―森さんは、第1回、第2回の大規模修繕委員長を務められていました。ファーマに依頼した経緯は?
コンサルタントに依頼するというのは、ニュートラルな立場で助言してもらえるということです。ファーマさんはどこの建設会社とも等距離でお付き合いされているというのがわかりましたので、第一回目からお願いしています。拝見していると、現場の職人さんたちにとても信頼されています。工事というのは現場の方たちの資質に左右されます。腕のいい職人さん、優れた現場責任者、親方たちをきちんとつなげていらっしゃるか。そこは一つの依頼するポイントになると思います。そのようなネットワークやチャンネルを持っている。それがファーマさんにお願いする理由です。
■ 世帯分のわがままをどう持っていくのか。コンサルと一緒にコミュニティの要望をまとめていく
―最初の大規模修繕工事のときから、コンサルタントを入れるというお考えだったんですか?
コンサルタントの方が入るとなると、コスト面では、合意形成として問題なかったと聞かれることがあります。
どこのマンションもそうなんでしょうが、区分所有の区画が188世帯あるということは、言葉を変えると「188もわがままがある」わけですよ。
わがままに対していくためには、やはり大切なポイントがあります。このマンションのポイントは、「億ションだったいいマンションに住んでいるんだ」ということです。しかし、「いいマンションに住むには、それなりにコストがかかるんですよ」ということを、毎回毎回の総会でもって、私は言い続けてきました。そして資産価値を維持するために大規模修繕工事があるわけで、そのためのパートナーがファーマさんでした。
―一昨年に二回目の大規模修繕工事が終わっていますね。
二度目の大規模修繕工事の目玉は屋上防水でした。これは第一回目では手をつけなかったものですから、徹底して屋上防水をしようと。ファーマさんのアドバイスで、最高のレベルの防水工事の施工をいたしました。
―ファーマに依頼して一番よかった点はどこでしょうか?
一番は安心感です。理事会のメンバーは、ほとんど(建築については)素人です。これはもう変えようがないので、そういうメンバーに対して、「安心感を与えながらことをきめさせる」という部分は絶対的に必要なことなんですね。今の世の中を見ていますと、物事を決められる人がいないんですよ。決めるというのは、私は8割当たっていればいいと思っているんですね。なんかそのちょっとしたミスに対して、そのリアクションがものすごく強くなっていますよね。
そんな風潮の中で、理事会でも「こうしましょう」という意見をいう人がいなくなってしまった。
それでしょうがない。年寄りが好き勝手やってやれと思いまして(笑)、腹をくくって、こうしましょう。これはこうですよというのをまず言ってあげる。そうした意見の裏付けとしてファーマさんがいらっしゃいるわけです。
■ ビンテージマンションの価値をさらに上げていきたい。そのためには専門家と二人三脚で、将来への修繕を決める
―外部のコンサルタントを入れてうまく付き合っていくことは、どんなことに注意すればよいとお考えですか。
まずは自分がなにをしたいのか、どのようにしたいのかをキチンと整理して、考えを持っておくべきだと思います。「大規模修繕が必要になりました」と。「それではどこまで修繕をしてほしいんだ」と、まずは自分で考えてみる。その考えをぶつけるのがコンサルタントです。そこが一番ポイントではいかと思います。
工事一つにしても、それが正しい方法なのか、金額が適正なのか自分たちだけではわからないことがあります。そのような質問をしたときに、きちんと納得する答えを出してくれること。それが私たちにとってはファーマさんでした。
―コンサルティングを依頼することで、よりマンションのバリューを上げる修繕工事がしやすいですか?
当マンションはヴィンテージマンションの認定を受けました。しかしこうした価値を維持していくためには、修繕積立金の額についても問題がでてきます。現在のところ積立金が環境を維持したりするために適切かどうかというのは、公には基準値が表示されていません。これから先のことを考えて、住民コミュニティー全体が納得する修繕工事、ヴィンテージマンションの価値を下げないための環境設備を見据えていくには、やはりファーマさんに依頼し、専門家の意見をコミュニティーに伝えて、計画を立てながら修繕積立の見直し等も行っていくことが必要ではないかと判断しています。
―売り価格が、こんなにかわりますと言われたら、喜んでその費用は出しますよね。
その通りです。ですから、そこまでの計画を持って修繕稽立金を確保しておくということかなと思います。 これも、「コンサルに任せるのではなく自分で決めてから、 相談した」という経緯の一つですが、利用率が6割を切っていた機械式駐車場の一部を埋戻し、駐車台数は減ったものの、将来発生する機械式駐車場の更新費用を大幅に削減、 その分を専有部分の給水・給湯管の更新工事費用の 一部に充てました。それもファーマさんに制作してもらっていた、長期修繕計画に基づいて、 具体的な計画を進めることができたからです。
今後もファーマさんと一緒にこのマンションの価値を維持し、「住んでいることを自慢」できる場所であり続けたいと思いますし、 終の棲家として大切にしている方々のお役に立てたらという思いで修繕委員長をやらせていただいています。
*取材時期(2020年3月)